アンコール二大遺跡
バイヨン寺院
アンコール・ワットと共に肩を並べるように存在感を示すのがアンコール・トムで、エリアの中心に鎮座するバイヨン寺院が見所の一つとなっている。
世界文化遺産のひとつとして知られるアンコール遺跡は今でこそ世界中から観光客が訪れるが、観光地としての歴史は非常に浅い。今から140年ほど前まではその存在すら知られていなかったくらいだ。
当時のクメール王朝はインドシナ半島の大部分とマレー半島の一部までをも領土としていて、なぜそのような遺跡が発見されず、ジャングルの密林の奥深くに眠っていたかは定かではない。
アンコール・ワット以外にも、数百を超える宗教施設が王国全土に造られていた。現在のシェムリアップ地域にもその多くの足跡が残っている。当時の王都は一大農業地帯であったと考えられている。日本にたとえると平城京の時代に造営された大和盆地にあたるのがシェムリアップといわれている。
広大な規模を誇る王都は、現在の東京23区程度にも及んだと言われ、数百を超える大小さまざまな寺院が建立されていたとされる。宗教施設であると同時に都のシンボルでもあったアンコール・ワットの建造から遅れること半世紀、アンコール・トム(大きな町)が建造された。
その王都の中心地でもあったアンコール・トムの中心に位置するのがバイヨン寺院である。この寺院の特徴はクメール人の宇宙的感覚から生み出された四面仏塔が見所となっている。