ソムボー・プレイ・クック
ソムボー・プレイ・クック
ソムボー・プレイ・クックの歴史は古く、7世紀初頭に イシャーナヴァルマンー世によって造られた首都のひとつとされる。 クメール建築でも初期の造営法が施されていて、特にレンガを多様したつくりは ソムボー・プレイ・クック遺跡群を象徴するものとなっている。
ソムボー・プレイ・クックで注目されるところは、特徴的なハ角形の平面が採用 されている点で、上部構造までが全てレンガで、迫り出し式に積み上げられている。 砂岩や石材、ラテライトなど、どの建築資材を使用しても、屋根の構造が最も難しいとされ、 木材などを用いて屋根を造ったり、試行錯誤の上、完成されてきた。
ソムボー・プレイ・クックも同じで、この屋根の部分をどういった構造にしていったか、 その遍歴をしることで、アンコール期の建築技術が解明されると言われている。
アンコール遺跡・ソムボー・プレイ・クック アンコール遺跡・ソムボー・プレイ・クック
その変遷過程の概略は宝形造にもみることができ、長方形の平面を追ってそこに蓋をするように 屋根をかける古代の技術から、次第に正方形の平面に屋根をかけるように変化している。 造形的にも屋根になる部分は三角形となり、これが、五角形、六角形と増えるにつれて、 より立体的になるとともに、三角形の形状もより鋭角になってくる。
その過程のなかで、ソムボー・プレイ・クック遺跡ではハ角形の平面が採用されていて、 長方形平面、正方形平面、八角形平面と屋根をかける技術が変化したことを示している。