シェムリアップの宿
シェムリアップの宿
今回お世話になったHさんの計らいで宿泊施設したのがタケオで、 ここは近くにあるチェンラーとともに、いわばバックパッカーのオアシス的な 存在でもある。なんといっても格安で宿泊でき、施設も格安の割には小奇麗にしている。
日本のビジネスホテル並の充実した設備にくわえ、日本語ができる(たぶん日本人?) ご主人もいる。日本料理も食べられて、いたれり付くせりといったところです。
アンコール遺跡への各ツアーも充実していて、ここのシステムは、各ツアーへのエントリー 用のボックスがそれぞれ設けられていて、参加者は前日夜までに、自分の希望のツアーボックス へ名前を書いて入れておくだけで、手軽にツアーに参加できるのもうれしい。
また、ツアーに参加しなくても、バイクタクシーなどの手配もしてくれて、 とても使い勝手のよい宿でした。ですが、一度だけ、ここでも失敗してしまった ことがあって、仕事柄、シェムリアップのマッサージ店に夜中に出かけた時の 話です。
整体武者修行もまずは、施術してもらうのが一番と、各地で体験してきたが、 たまたまこの時は帰る時間が遅くなり、夜中の12時を過ぎてしまった。 シェムリアップの夜は、それはもう真っ暗になってしまい、タクシーもおらず、 殆ど人が歩いていない中、宿舎まで2km程度の道のりを、恐々と歩いて帰った。
やっとの思いでタケオにたどり着き、一安心と思いきや、玄関に設けられた 重厚な鉄柵の門が閉められていた。普通こういった場合はインターホンなどで 事務員さんに連絡して開けてもらうのが常だが、ここにはそういった便利なものは なく、門番の人の姿も見えず、また途方に暮れてしまった。
乗り越えられるような鉄柵でもなく、辺りを見回してみると、どこも同じような 厳重な門で閉ざされている。よほど、治安が悪いのかと思い、ますます、不安に なってきた。
そうこうするうちに30分程たった。それで、ここはもう叫ぶしかないと思い、 日本語で「すみませーん!」と、何度も叫んだ。何度も何度も叫んだ。最初は 小さめの声だったが、だんだん不安にかられて大きくなった。
それで、やっと玄関の灯りがついて、宿舎に入ることができたわけだが、 今回の失敗で、門限は必ず守るという、鉄の掟ができたわけだ。