バイヨンの回廊

バイヨンの回廊
バイヨンの回廊
バイヨンの回廊は東西160m、南北140mの第一回廊にそのほとんどが集中している。12世紀の人々の生活模様が描かれていて、闘鶏、漁、炊事、狩り、将棋に相撲といったシーンが描かれている。

 

東面にはチャンパ軍との戦いに赴く行軍やクメール人兵士の行軍などが描かれ行軍の列の後ろには食料運搬部隊か続く。座り込んでビンの酒を飲む人や、カメにお尻をかまれる人などコミカルなものもある。

 

南面にはクメール軍とチャンパ軍との水上戦が描かれていて、水中に落ちた兵士がワニに食われる場面もあり、リアルに恐怖感も漂う。また、出産シーンなども随所で見られ、寺院と人間の誕生は宗教的意味合いもあったのかもしれない。すぐ隣には弓矢で狩りをする人の姿も描かれている。

 

また、闘鶏のレリーフやお菓子を売る人、将棋を指す人、市場での商いの様子、投網を打って魚を獲る人など。戦いの勝利を祝う凱旋パーティの準備や王宮内で開かれた武道大会の様子なども描かれている。

 

北面には両手と頭の上に子供を乗せたり、車輪回しなどの曲芸など、レリーフのなかでも大変珍しいとされる曲芸の場面などがある。西面にはトラに追われたバラモン憎が木に登って逃げる様子なども見られる。

 

回廊には全てが屋根があるところだけではなく、屋根がないところもあり、こういったところに描かれるレリーフはさすがに損傷が激しく、なかでも比較的綺麗に残っているもので、ヴィシュヌ神に捧げ物をする人々のレリーフなどがあり、空を舞うアブサラが美しい。

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