プリア・コー
プリア・コー
「聖なる牛」という異名をもつプリア・コー。 インドラヴァルマン1世が両親のために建造したとされる寺院だが、 3体のナンディン像が並ぶことから「聖なる牛」プリア・コーと呼ばれている。
ナンディンとは、ヒンドゥー教に伝わる、シヴァの乗り物で、乳白色の四足動物の守護神でもある。 乳海攪拌の時に生まれた牝牛スラビーと、聖仙カシュヤパとの子と伝えられ、 現在でもシヴァの寺院の前にはナンディン像が祭られている。
プリア・コーの見所は、6基の祠堂のうち、西南隅にある祠堂の西面に注目してみたい。 ほかの5基の祠堂は砂岩が用いられているのに対し、この祠堂だけがレンガを削って装飾した楯と偽窓がある。 特に、偽窓はクメール建築の当時の流行を取り入れたもので、この祠堂が居住スペースに なっていたのではないかと推測する。
全体の構図は、東西500m、南北400m、中央に6基の祠堂がひとつの基壇の上に建てられている。 基壇上に6基の祠堂が中央に並んでいて、 中央伽藍を囲むようにして、東西の塔門によってつながれた周壁がもう一回りある。 経蔵は開口部を祠堂に向けて配置されていて、 東西軸に対して一対の経蔵が、参道脇の周壁に付属している。g>