理美容鋏のメンテナンス
理美容鋏のメンテナンス
せっかく鋏を研ぎに出したのにしばらく使用するとこんな状況ありませんか?
ここでは鋏を長切れさせて日常のメンテナンスについて紹介します。
- 研ぎに出した鋏がすぐに切れなくなった。
- 毎回同じ所に出しているのに切れ味(コンディション)が違う
- 刃先のエッジが鈍くカットの際に髪が逃げる。
- 切れ味が悪いため鋏の開閉に力がいる。
- カットした断面が枝毛になりやすい。
- セニングシザーで髪の毛が引っ掛かる。
こういった状態をほったらかしにしておくとだんだん
状態は悪くなり次のような症状が出てきます。
- 髪を挟み込んでコネてしまう
- 刃先が噛んでしまい髪を引っ張ってしまう。
- 刃が丸くなり切除抵抗が強く切断面が傷んでしまう。
- 無理な開閉を続けると刃の状態が悪くなる。
- 親指が炎症を起こして痛くなる。
こうなってしまってからでは遅く、ましてや切れない鋏を
使っていると良い仕事は出来ないばかりか、お客様の失客に
つながってしまいます。
日常の理美容鋏のメンテナンス
鋏のメンテナンスで心がけたい事ですが、ほったらかしにしておくと
刃全体に皮脂や汚れ、狩毛が詰まってしまい、刃の状態も荒れているので
定期的にお手入れをします。
- 大まかな汚れを柔らかいティッシュ等で軽く拭きます。
- シザーオイルを刃全体に塗り込み5分程時間をおきます。
- 次に鋏の開閉によって起こる刃の返りを取ります。
- 最後に軽く開閉して状態をチェックして終了です。
※触点の中も軽く拭き取ります。
※皮脂汚れが浮いてきますのでさらに綺麗に取ることができます。
※セーム革や天然ラバーが良いです。根本から刃先にかけて挟み込んだ
状態でしごくように拭き上げます。これを同じように数回繰り返します。
昔懐かしい本皮製の鋏メンテナンス用ベルト
山本製(RITUKY STROP写真左)と日理製(NEW SOFT71)
現在ではすっかり見かけなくなった本皮製のベルト式メンテナンス用品
昭和のいわゆる床屋さんではだいたいのお店でメンテナンス用としてありました。
鋏だけでなくカミソリ等も昔は研いでいましたのでそのメンテナンス用としても
使われています。
鋏の表裏を交互に当てながら前後にストロークして使います。lパチンパチンとする
音が懐かしいです。使い勝手は大変良く出来ていて、刃元から刃先まで均一に
調整することができます。昔の道具も大変優れていました。
当社でも仕上げの調整等で使用するケースがございます。
刃先の荒れが取れてまろやかになります。また、これを使うことで皮脂汚れを除去し
刃の返りを整えますので、切れ味が長持ちします。