電動式鋏研ぎ機「エッジ・メーカー/Neo」マニュアル

各部の名称
- エッジ・メーカー/Neo本体
- メインスイッチ(左回転/停止/右回転)
- コントロールスイッチ(スピード可変式))
- 刃角ガイド(左手前から/20度/25度/38度/45度)
- 裏スキ天然ラバー
- 研ぎテーブル
- ACアダプタ
- 荒研ぎシート(320番)
- 中研ぎシート(600番)
- 中研ぎシート(1000番)
- 仕上げシート(2000番)
- フェルトシート(青棒を塗布する)
- サンプル青棒(約10000番相当)
ご利用前の注意点
はじめに
電動式鋏研ぎ機「エッジ・メーカー/Neo」をご購入いただきありがとうございます。
理美容師の方で自分の鋏を自分で研ぎたい。いつも切れる状態を保ちたい。そう思われている方は多いのではないでしょうか。
エッジメーカー/Neoはそんな技術者の方の思いを実現すべく開発した鋏研ぎ機です。使い慣れるまでは鋏の状態を的確に把握できないかもしれませんが、慣れてくると研ぎと切れ味が心技一体となり、自分の思うような良く切れる鋏が作れるようになります。カット技術を下支えするのはやはり鋏の切れ味です。エッジメーカー/Neoの利点を余すことなく活用していただき、その至境に達する喜びを味わっていただきたいと願います。
理美容の鋏は非常に繊細な作りになっています。刃角、エッジ、触点、返りの除去(裏スキ)等の研磨技法によりなめらかで気持ちの良い切れ味を生み出します。
しかしその反面、間違った使用方法で鋏を研いでしまうと鋏が噛み合わなくなったり、上手く切れなくなったりする場合があります。ご利用にあたってはご使用前の注意点をご覧の上ご利用ください。
ご使用前の注意点
●最初から高価な鋏は研がないでください。
複数本お持ちの場合は慣れるまでは練習用として使える鋏からご利用ください。
研磨習得してから行ってください。
●絶対にやってはいけない失敗例
- 大切な鋏をマニュアルを読まずにいきなり研いで必要以上に削れしまった。
- 刃角が立ちすぎて刃を潰してしまった。
最初は20度(左端)で研いでください。
必ずマニュアルを熟読してから、最初は練習用の鋏で行ってください。
●刃角ガイドは鋭角(20度)からのご利用を推奨します。
鋏の刃角はお使いの鋏によりそれぞれですが、研ぎ方により自由にコントロールすることができます。概ね鋭角な場合ですと切れ味もシャープになりますが刃の調整が頻繁に必要となり、鈍角になるほど切除抵抗が大きくなりますが状態は比較的長く持ちます。
しかし、最初から38度や45度といった鈍角で研いでしまうと間違って刃を潰してしまう可能性がありますので、慣れるまでは鋭角(20度)からのご利用を推奨します。
良く切れる状態を常に保ちたい鋏は20度(鋭角)、ある程度の切れ味でベースカット用で良く使うような鋏は25度、梳き鋏等は25〜38度と、使用目的に応じて刃角を調整してください。
●回転テーブルに鋏を強く押し付けないでください。
研磨中に回転テーブルに鋏を強く押し付けてしまうと刃が必要以上にすり減ってしまいます。特に中研ぎや荒研ぎをされる時はご注意ください。
●回転スイッチを回し過ぎないでください
モーター回転のつまみを過剰に回し過ぎるとモーターに負荷がかかりすぎて一時的に動かなくなる場合があります。30秒ほど時間を置いてスイッチを回してください。
●長時間の連続使用はしないでください。
モーター加熱による故障を防ぐため1回の使用時間は合計で10分程度に留めてください。
電動式鋏研ぎ機「エッジ・メーカー/Neo」の使い方
通常メンテナンスの仕方(研いだ後のメンテナンス時)
青棒塗布(鏡面仕上げ)
青棒は一般的に仕上げ用として鏡面仕上げに使用する研磨剤の一種です。
研ぎシートで例えるとおよそ10000番程度のきめ細やかさがあります。
一度ハサミを研いでしまうとしばらくはこのメンテナンスだけで切れ味を保てます。
この青棒をフェルトシートに塗布して研磨を行います。
通常時の鋏メンテナンスは基本的にこの青棒を使って行います。
- フェルトシートをセットし電源を入れます。
メインスイッチAをONにする。(回転は時計回りにします)
鋏を研ぐ時は常にテーブルを時計回りににしてください。 - コントロールスイッチを右に回し回転を上げます。
- 中心から外へ青棒を軽く押し当てて塗布します。
- これを3回〜5回繰返し行います。
- まんべんなく塗布できていたら仕上げ研ぎの準備完了です。
※仕上げ研ぎの際は、毎回必要に応じて青棒を塗布してください。
刃の調整
- ちょっとハサミが切れなくなった時に簡単に刃の調整を行います。
- 刃角ガイドは25度(左から2番目)を推奨します。
20度はフェルトの高さに対して使いづらいです。
- 刃元から刃中、刃先と手前に引きながら刃を整えます。
- これを両刃とも3回ほど繰り返して終了です。
※ハサミは分解せずそのままご利用いただけます。
まあまあ切れるハサミを研ぐ時
仕上げ研ぎ(2000番)
ちょっと切れ味が落ちてきたなというとき。あるいは青棒メンテナンスで切れ味が復活しなくなったという時に仕上げ研ぎ(2000番)を使います。
ちょっとした切れ味を復活させたり定期的に行うことで切れ味を常に良く保てます。中研ぎ(1000番)に比べて切除抵抗が少ないのが特徴です。
- 鋏を最大に開いて刃の裏側を上に向けて刃角ガイドにセットします。
※まずは自分の鋏の刃角を知るためと刃を潰さないように20度で行います。
※研ぎ前と後の切れ味を比べて適切な刃角を見極めます。
※刃角が鈍角になると切除抵抗が大きくなります。 - 刃元を研面にフィットさせたらそのままゆっくりと手前に引いて行きます。
※この時あまり強く抑えすぎないようにしてください。
刃先までしっかりとフィットしていることを確認しながら行います。 - この運行を必要に応じて2〜3回繰り返します。切れ味を確かめながら上刃・下刃ともに適正回数を行ってください。
※鋏の種類や刃の状態によって回数は異なります。
刃の返りが出ていた場合は裏スキ天然ラバーで数回往復運行で除去します。 - 必要に応じてフェルトシートと青棒を使って鏡面仕上げをしてください。
裏スキラバーの使い方
- 鋏を90度に開いて時計の針3時の状態で持つ
- 鋏の合わさる面をラバー面にフィットさせて
往復運行します。(上下共に)
- 回数の目安は3で行った回数と同じ程度で良いです。
- 軽く鋏の開閉をして返しがとれていたら終了です。
あまり切れなくなってきた時
中研ぎ(1000番・600番)
※使い方は仕上げ研ぎと同じですが、
研面に対して鋏が強く当たりすぎないように注意してください。
大切な鋏がすり減ってしまわないように十分注意してください。
研面に対して鋏が軽く触れる程度が理想です。
※使用頻度により異なります。ご自分の鋏の状態で行ってください。
必要に応じてフェルトシートと青棒を使って鏡面仕上げをしてください。
鋏が切れなくなった!刃先から髪の毛が逃げる!
荒研ぎ(320番)刃先研ぎ
刃の先端研ぎはめったに行うことがないですが、何回も鋏を研いでいると段々先細になって行き、かみ合わせや切れ味に支障が出てきます。
そんな時は先端を丸く短く削って形を整えます。なので研ぎに出したり使っているうちにだんと短くなってくるのはそういった理由があるからです。
※鋏が短くなることを理解した上でご利用ください。
- 荒研ぎシート(320番)を使用します。
柔らかい鋏は中研ぎ(600番)でも対応できます。
- 刃先の尖った部分を丸く削ります。鋏は砥面に対して立てた状態で行います。
刃先の先端が丸くなるように研磨します。必ず両手で行ってください。
- スイッチを入れて研面を右回転させます。
- 刃先の峰側より徐々に起こして行く感じです。
これを数回繰り返します。
- 両刃とも同じ長さになるようにしてください。
- その後、フェルトシートと青棒で先端を鏡面仕上げして終了です。
部品及びメンテナンス
研磨シート(マジックテープ付き)
エッジメーカー/Neoのメンテナンスで頻繁に必要になるのがシートの交換です。
交換のタイミングは実際に鋏を使ってみて研ぎの効果がなくなってきたなと感じたら
交換すると良いです。必要に応じてご購入ください。
青棒
青棒は仕上げ用の研磨剤として広く浸透していますので比較的容易に購入できると思います。
当社オンラインショップからもご購入いただけます。