電動式鋏研ぎ器「エッジ・メーカーPro」マニュアル
エッジメーカーPro 使い方動画〜メンテナンスの仕方
最初に御覧ください
各部の名称
- エッジ・メーカーPro本体
- コントロールスイッチ
- 刃角ガイド(左手前から/20度/25度/38度/45度)
- 裏スキ天然ラバー
- 中研ぎ用テーブル
- 仕上げ用テーブル
- 電源入力
- ACアダプタ
ご利用前の注意点
はじめに
電動式鋏研ぎ器「エッジ・メーカーPro」をご購入いただきありがとうございます。
理美容師の方で自分の鋏を自分で研ぎたい。いつも切れる状態を保ちたい。そう思われている方は多いのではないでしょうか。
エッジメーカーProはそんな技術者の方の思いを実現すべく開発した鋏研ぎ器です。使い慣れるまでは鋏の状態を的確に把握できないかもしれませんが、慣れてくると研ぎと切れ味が心技一体となり、自分の思うような良く切れる鋏が作れるようになります。カット技術を下支えするのはやはり鋏の切れ味です。エッジメーカーProの利点を余すことなく活用していただき、その至境に達する喜びを味わっていただきたいと願います。
理美容の鋏は非常に繊細な作りになっています。刃角、エッジ、触点、返りの除去(裏スキ)等の研磨技法によりなめらかで気持ちの良い切れ味を生み出します。
しかしその反面、間違った使用方法で鋏を研いでしまうと鋏が噛み合わなくなったり、上手く切れなくなったりする場合があります。ご利用にあたってはご使用前の注意点をご覧の上ご利用ください。
ご使用前の注意点
●最初から高価な鋏は研がないでください。
複数本お持ちの場合は慣れるまでは練習用として使える鋏からご利用ください。
研磨習得してから行ってください。
●絶対にやってはいけない失敗例
- 大切な鋏をマニュアルを読まずにいきなり耐水ペーパー研面で研いで必要以上に削れしまった。
- 回転テーブルに鋏を強く押し付けて、モーター軸を壊してしまった
回転軸が破損した状態 - スイッチを回しすぎてモーターが動かなくなった
電圧をかけすぎるとモーターがしばらく動かなくなります。安定しません。
必ずマニュアルを熟読してから、最初は練習用の鋏で行ってください。
●刃角ガイドは鋭角(20度)からのご利用を推奨します。
鋏の刃角はお使いの鋏によりそれぞれですが、研ぎ方により自由にコントロールすることができます。概ね鋭角な場合ですと切れ味もシャープになりますが刃の調整が頻繁に必要となり、鈍角になるほど切除抵抗が大きくなりますが状態は比較的長く持ちます。
しかし、最初から38度や45度といった鈍角で研いでしまうと間違って刃を潰してしまう可能性がありますので、慣れるまでは鋭角(20度)からのご利用を推奨します。
良く切れる状態を常に保ちたい鋏は20度(鋭角)、ある程度の切れ味でベースカット用で良く使うような鋏は30度、梳き鋏等は38度と、使用目的に応じて刃角を調整してください。
●回転テーブルに鋏を強く押し付けないでください。
研磨中に回転テーブルに鋏を強く押し付けてしまうと回転が止まってしまいます。
これをさらに続けて行くと刃が必要以上にすり減ってしまいます。
特に中研ぎや荒研ぎをされる時はご注意ください。
●回転スイッチを回し過ぎないでください
電圧をかけすぎるとモーターがしばらく動かなくなります。安定しません。
モーター回転のつまみを過剰に回し過ぎるとモーターに負荷がかかりすぎて一時的に動かなくなります。30秒ほど時間を置くと回復するのですが、その時にまたつまみを回し過ぎて電圧が過負荷状態になり、また止まってしまう。
このような現象になると、故障かなと錯覚してしまいます。スイッチのつまみを少し(例えばダイヤル幅でいいますと1センチ程度)右に回すくらいにとどめてご利用されるとこをおすすめします。
モーターへの負荷が軽減されますので継続的にご利用いただけます。
●長時間の連続使用はしないでください。
モーター加熱による故障を防ぐため1回の使用時間は合計で10分程度に留めてください。
電動式鋏研ぎ器「エッジ・メーカーPro」の使い方
本体を両面テープで固定してください。
エッジメーカーProは高速回転で動きますので本体を固定する必要があります。
両面テープを本体の底に図のように貼り所定の台に固定してください。
もし台から剥がす場合は少しずつゆっくりと剥がしてください。
仕上げシート青棒塗布の仕方
青棒塗布
青棒は一般的に仕上げ用として鏡面仕上げに使用する研磨剤の一種です。
この青棒を仕上げ用シートに塗布して研磨を行います。
- 仕上げ用回転テーブルをセットし電源を入れます。
- 回転を上げて中心から外へ青棒を軽く押し当てて塗布します。
強く押し当てすぎると回転が止まります。
- これを3回〜5回繰返し行います。
- まんべんなく塗布できていたら仕上げ研ぎの準備完了です。
※常時、仕上げ研ぎの際は必要に応じて青棒を塗布してください。
エッジメーカーProの使用方法
仕上げ研ぎ(通常時)
最初にお使いいただくときは必ず仕上げ用シートをご使用ください。
※最初から中研ぎ用シートは使わないでください。
一番多く使うことが想定される仕上げ用シートです。ちょっとした切れ味を復活させたり定期的に行うことで切れ味を常に良く保てます。
1,鋏を最大に開いて刃の裏側を上に向けて刃角ガイドにセットします。
※まずは自分の鋏の刃角を知るためと刃を潰さないように20度で行います。
※研ぎ前と後の切れ味を比べて適切な刃角を見極めます。
※刃角が鈍角になると切除抵抗が大きくなります。
>
2,刃元を研面にフィットさせたらそのままゆっくりと手前に引いて行きます。
※この時あまり強く抑えすぎないようにしてください。
※強く抑えすぎると回転が弱まりますので目安としてください。
刃先までしっかりとフィットしていることを確認しながら行います。
3,2の運行を必要に応じて繰り返します。切れ味を確かめながら上刃・下刃ともに適正回数を行ってください。
※鋏の種類や刃の状態によって回数は異なりますが、標準で3回程度とします。
4,刃の返りが出ていた場合は裏スキ天然ラバーで数回往復運行で除去します。
裏スキラバーの使い方
- 鋏を90度に開いて時計の針3時の状態で持つ
- 鋏をラバー面にフィットさせて往復運行させる。(上下共に)
- 回数の目安は3で行った回数と同じ程度で良いです。
- 軽く鋏の開閉をして返しがとれていたら終了です。
中研ぎ(1〜2ヶ月に1回程度)
※使い方は仕上げ研ぎと同じですが、
研面に対して鋏が深く当たりすぎないように注意してください。
研面に対して鋏が軽く触れる程度が理想です。
※使用頻度により異なります。ご自分の鋏の状態で行ってください。
※必ずしも刃角ガイドの左端に固定して行うものではありません。
ご自分の鋏の状態に合わせて左手人差し指等で固定して高さを調整してください。
荒研ぎ(刃先研ぎ)(3ヶ月〜1年に1回程度)使用頻度によります
先端研ぎはめったに使うことがないですが、何回も鋏を研いでいると段々先細に
なって行き、かみ合わせや切れ味に支障が出てきます。そんな時は先端を丸く
短く削って形を整えますので、使っているうちにだんと短くなってくるのはそういった
理由があるからです。※鋏が短くなることを理解した上でご利用ください。
- 中研ぎシートを耐水ペーパー400番に張り替えて使用します。
柔らかい鋏は現行の中研ぎ800番でも対応できます。
- 刃先の尖った部分を丸く削ります。鋏は砥面に対して立てた状態で行います。
刃先の峰側より先端を丸くなるように研磨します。
- 両刃とも同じ長さになるようにしてください。
- その後仕上げ用シートで鏡面仕上げしてください。
- その他使い方は仕上げ研ぎと同じです。
部品及びメンテナンス
シートの交換
エッジメーカーProのメンテナンスで頻繁に必要になるのがシートの交換です。
交換のタイミングは実際に鋏を使ってみて研ぎの効果がなくなってきたなと感じたら
交換すると良いです。中研ぎ、仕上げ研ぎともに市販のもので揃えられますので
必要に応じて取り替えてご使用ください。
中研ぎシート
市販の耐水ペーパー800番を推奨しています。番手が大きくなるほど粒が小さくなめらかに
なりますし、番手が小さくなるに従って粒が荒くなります。まずは800番〜1000番の間で
使い慣れてゆくのが良いでしょう。
交換の仕方
- 回転テーブルのに両面テープを貼る。
- 耐水ペーパーをテーブルの上から貼り付けます。
- 周囲の余分なところをカッターで切り取ります。
仕上げシート
市販のフェルトシートを使用します。100均などに販売されているもので十分です。
※できれば両面テープ付きを購入してください。
交換の仕方
- フェルトシートをテーブルの上から貼り付けます。
- 周囲の余分なところをカッターで切り取ります。
- 電源を入れてテーブルを回転させながら青棒を表面に塗布します。
青棒
ホームセンターやネットで入手してください。青棒は仕上げ用の研磨剤として広く
浸透していますので比較的容易に購入できると思います。金額は安価でコスパ
も良いです。
荒研ぎ用シート
必要に応じてホームセンターやネットで入手してください。
※鋏が短くなることを理解した上でご利用ください。
荒研ぎ用シートの作り方
- 耐水ペーパー400番を購入します。
- 回転テーブルのに両面テープを貼る。小刻みに円を描くように貼り付けます。
- 耐水ペーパー400番をテーブルの上から貼り付けます。
- 周囲の余分なところをカッターで切り取ります。
- 先端になった先端を丸く削って形を整えます。
- その後中研ぎシート〜仕上げシートで調整します。