アンコール遺跡-巡礼の旅
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アンコールワットの魅力
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アンコールワットの魅力
アンコールの魅力の一つにその構図が揚げられる。 クメール建築では神のための宮殿は頑丈で耐久性のある砂岩やレンガで建造し、 人間である王の宮殿は自然の恵みを象徴するかのように木材を多様している。

なぜこのようなすみわけになったかは諸説あるようだが、一つにこの王都が 不変のものであったことが考えられる。聖地として揺ぎ無い信仰を集めた アンコール遺跡群は群雄割拠の部族たちにとって共通の聖地となっていたと 考えられる。

特に軍事力で突出した部族はいなかったとされ、その都度領土を支配した王が ここを都としていたようである。したがって、前王から受けついだ新王は その権威を広く示すため、王宮を造り替えたり、あるいは寺院を新しく造営していった。

したがって、大規模な寺院というより、比較的小さな建造物を増築に継ぐ増築で、 拡張していった経緯がある。アンコール遺跡を見る際にはこういった観点から いつの時代に建造されたものなのか?なども一つ記憶にとどめておくとよいです。

また、宗教建築は砂岩やレンガを積み上げて造るという手法を用いており、 石造建築という技術的な制約から、一度に大きな建物は造り難かったという点を 追記しておきたい。

さて、アンコールワットを散策していると水場が多いことに気づく。 5つの塔で囲まれた中央祠堂の周りには四方に渡って聖池が配置され、 アンコール・ワット中心部の十字回廊にも4つの聖池がある。

これは単なる王が水浴びをするだけのものだろうか?何かきっと意味がある はずで、調べたところこれも立派な宗教的意味をもっていた。 当時、一大農業王国を築いていた王都にあり、王国の農業を支える治水技術を示す ことは大変権威のあることだ。ゆえにその池は神化するかのごとく聖池として人々から崇められている。

農業における貯水施設は、必要な水源を確保するための池と、 それを分配する水路から構成されている。この聖池は水が四方にまんべんなく もたらせることによって、乾季でも必要な水源となっている。

このようにあらゆる形で宗教的な宇宙観を具現化していくと共に、 聖なる源である水を支配することによって、王に対する忠誠心を 強固なものとした、表裏一体のバランスがこの聖池には秘められている。

また、クメール建築の観点から、回廊を組み合わせる以外には、大きな内部空間を造る方法がなく 、屋根のない池の空間をつくったことも必然性からくるものである。 現代の技術でも高い位置に水をたたえ池をつくることは容易ではない。当時の技術力の 高さが伺える。

いずれにせよ、神秘的な天空の楽園を実現するための 様々な工夫がもっともっと隠されているに違いない。こういったものと出会うことこそ アンコールワットの魅力ではないだろうか。


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王の神と土地神
当時、王は神聖なる場所にて絶対的宇宙の支配者である神々と交信したと伝えられる。 その手法は宗教的な違いもありさまざまだが、交信の場所は意外と共通点が多い。 現存するアンコールの遺跡の多くは天界(宇宙)との交信場所であったとされる。

では、下々の一般の人々にとっての信仰はというと、 土地神ネアック・ター、家族神アラックなどに代表される。 人々の暮らすそばにある樹木や、大きな石、洞窟などに宿っているとされていた。

元来、同根といえる神々が信仰する側の立場の違いによって支配者の神々、非支配者の神々と いった具合に分けられるのもおかしな話で、こういった風習は外来のヒンドゥー教や仏教がカンボジアの地 に根付くうちに次第に融合されていった。