土壌式水耕栽培
家庭でできるもっとも簡単な水耕栽培がここで紹介する土壌式水耕栽培です。 前項の準備・発芽させるを実践された方はこのページを参考にしてください。 定植の仕方や液肥の補充、収穫まで解説しています。
土壌式水耕栽培のやり方
プラコップの準備
定植するまえの準備としてプラコップの切り込みを入れます。 切り込みといっても底の部分を切り取るだけですので、比較的簡単に できる作業だと思います。水耕栽培のやり方は多種多様で、 中にはプラコップの底に丸い穴を開け、そこに苗を挟んだりするやり方 もありますが、上達ファームでは、苗の成長度などの実験の結果、 より簡単にという観点から取捨選択し、結果このような簡単な方法となりました。 写真のように必要個数を切り抜いておきます。
容器にバーミキュライトをしく
栽培容器にバーミキュライトを敷き詰めます。バーミキュライトは保水力や保肥力がとてもあり、自重の5〜6倍の水分を吸収できる、水耕栽培にはとても適した土壌です。だいたいの目安で深さ2cmくらいで、できるだけ平らにしくことがポイントです。その後、液肥を注入していきます。液肥の量は、全体に行き渡ったときに土壌表面と液肥の高さが同じになるくらいにしておきます。土壌から液肥が出ないようにしておきます。通常の液肥補充でもこれが基本となりますので、覚えておいてください。
プラコップを並べていきます。
栽培容器にプラコップを並べていきます。成長したときのことも考慮して ある程度間隔をあけて等間隔で並べます。このときプラコップの底は 上から押して土壌に少しだけ埋めるかんじにしておくと安定します。 写真は並べ終わった状態です。
苗をプラコップの中へ置いて行きます。
プラコップの中へ苗を置いていきます。この時は割り箸などを活用するとよいです。位置はプラコップの底の円の中心に置きます。苗を置いた後にプラコップをかぶせても良いですが、通常苗はまっすぐ育ったものばかりではないので、中にはスポンジ培地からたおれている苗もありますので、その際は傷つかないように注意します。
プラコップと苗の間に乾いたバーミキュライトを入れます。
プラコップの底中央に置いたスポンジ培地との隙間に乾いたバーミキュライトをいれていきます。これは、液肥を吸い上げスポンジ培地を湿らす役割やスポンジ培地を安定させ、しっかりとした根を張らせる役割を果たしますので必要になってきます。バーミキュライトを入れる際は苗を傷つけないように慎重に行なってください。スプーンを使うなどして丁寧に作業します。入れ終わったバーミキュライトがだんだん液肥を吸い上げ湿ってくるのが確認できます。ここでもう一つポイントとして抑えておきたいのが、この部分には直接水やり(液肥補充)をしないということです。また、液肥補充の際、量が多すぎるとこの部分が浸かってしまいますので、その点も注意します。
最後に液肥の量をチェック
上記の手順が終わったら液肥の量を最終チェックします。 液肥はプラコップの隙間に入れたバーミキュライトがある程度吸い上げているので、 その分を追加します。土壌が凹んだりプラコップが倒れたりしないように 少しずつ注入します。液肥が土壌の表面に現れたらOKです。 ここまでできれば定植完了です。あとは陽あたりの良いところで育てます。
管理と水やり(液肥補充)
基本的に毎日水やりをします。水やりといっても水道水は使わず、液肥のみを使用します。液肥が偏らないように、少し持ち上げて全体に行き渡るようにするとよいです。なぜ毎日の水やりが必要かというと、水耕栽培の場合、根への酸素補給が成長する上で非常に重要な要素として関わってくるからです。例えば、常にひたひたに液肥を注入して根が液肥につかったままだとしたら、根は酸素補給ができなくなり根腐れという減少を起こしてしまいます。逆に、液肥が極端に少なくなったら、酸素補給はできますが、そのうち枯れてしまいます。ですから、土壌式水耕栽培の場合、一日のうちに栄養分になる液肥と、酸素補給の両方が必要となってきます。水やり→養分補給→酸素補給のくり返しを行なっているわけです。
いよいよ収穫!
定植から1ヶ月前後で待ちに待った収穫を迎えます。毎日手塩にかけて育てた野菜ですので、少しでも長く収穫したいものです。そこで収穫するときに抑えておきたいポイントですが、根からチョキンと切ってしまってはもったいないので、一番成長が早い成長点を残し、周りから収穫するようにします。リーフレタスの場合、外側の葉が下に垂れ下がってくるので、そこをハサミで切って収穫するようにします。このように収穫すると、根はまだ生きていますので、残った葉はさらに成長し、また収穫できるというわけです。くりかえし栽培する上で収穫も要領を得てくると思います。
ペーパー式水耕栽培
簡易型の水耕栽培では最も上級者向けとなるペーパー式水耕栽培です。
あらゆる実験を重ねた結果、簡易式の水耕栽培では最もコストを抑えた水耕栽培法です。しかも、栽培後の手入れがとても簡単で、無駄なゴミを出さずにすみ、とってもエコな栽培法です。
この栽培法の特徴は、その名の通り土壌やスポンジを全く使わずペーパーを使用するところです。土壌やスポンジを使わない分、収穫後の手入れが簡単で、コストも大幅に削減することができます。また、発芽から栽培まですべて一つの容器で行いますので、どんどん種まきして、大量生産も可能になりました。
コスト面でも大幅な経費削減が実現し(液肥代は含みません)、1栽培槽あたり(12株)25円と、通常の土壌やスポンジを使用した場合に比べて、1/7程度に抑えることが可能となりました。とにかく土壌式水耕栽培では、バーミキュライトなどの土壌にかかる費用が高く、収穫後の後片付けもできれば簡単に済ませたいと思っていましたので、ペーパー式水耕栽培の開発によってこの2つの課題がいっきに解決されたのは非常に画期的な発見ともいえます。
さらに、日常の水やり(液肥補充)も、ペーパー式特有の要素から、数日間の液肥補充が不要になることや、栽培していくうちにだんだん土壌に近い状態へ変化していくといった、思わぬ発見もあり、水耕栽培の新たな扉が開いたといった感じです。
しかしその反面、ペーパー式水耕栽培には土壌栽培で培った感覚的なものを要しますので、まずは上記で紹介した土壌栽培を実験された後にチャレンジすることをお勧めします。興味のあられる方は購入ページの方を御覧ください。