循環式水耕栽培装置で健康野菜生活

水耕栽培1 発芽させる

準備・発芽させる

 

まずは手軽にできる土壌式水耕栽培から
水耕栽培というからには水で育てるものだと思いがちですが、土壌を使った水耕栽培もあります。家庭で手軽に栽培できるため近年ひそかなブームにもなっています。栽培方法は様々ななやりかたがありますが、上達ファーム研究所ではもっとも簡単にできる方法を紹介しています。

 

プラコップの切り込み方や、ネットの取り付け方、アルミホイルを活用したものや、スポンジ培地の有無など、知りうる限りのすべての実験をした結果、最終的にたどり着いた方法を公開いたします。その過程は、栽培を繰り返し行う上で、できるだけ無駄を省いていく方法に近いものがありました。ですから、ここで紹介する水耕栽培方法は驚くほど簡易なものとなっています。その分継続的に続けられ、年中、無農薬でおいしい野菜が家庭で食べることができます。

準備するもの

それではさっそく土壌式水耕栽培をはじめてみましょう。必要な用具は身近で購入できるものばかりです。基本的には容器と土壌、プラコップ、液肥、スポンジ培地、栽培する種があれば始められます。容器は目的に応じた大きさであまり深すぎないもの、土壌はバーミキュライトを使用します。

 

プラコップは7オンスの大きさで、出来れば強度のある透明のものを選びます。半透明のものでも良いですが強度に弱いものが多く耐久性はあまり期待できません。液肥はハイポネックスなど身近で手に入れられるものもありますが、土壌栽培との併用を目的に作られていますので、できればハイポニカなどの水耕栽培に特化した液肥をおすすめします。上達ファーム研究所でも主にハイポニカを使用して栽培しています。

 

スポンジ培地は、茎をしっかりとした太さに成長させ、植物を支える土台となるものなので、必要不可欠なものとなります。栽培する植物により大きさは前後しますが、およそ2.5cm〜3cm角のものがよいです。種は季節により様々ですが、室内の日当たりの良い場所でしたら冬場でも殆どのものが栽培可能です。

 

栽培容器 バーミキュライト

準備・発芽させる

準備・発芽させる

プラコップ 液肥

準備・発芽させる

準備・発芽させる

スポンジ培地  

準備・発芽させる

 

種から発芽させる

種から発芽させる
水耕栽培において一番難しいのは、種から発芽させることかもしれません。種は、比較的簡単に発芽するものもあれば、発芽率が極端に低い種もあります。また、季節によりまったくといって発芽しないケースもあります。ですから、発芽させる場所や環境には細心の注意が必要となってきます。

 

特に水耕栽培の場合は年中栽培できることがベストですので、できれば好きな時期に好きな野菜を収穫したいものです。今回実験で使用した種はリーフレタスで、比較的容易に発芽させることができます。以下に種から発芽させる手順を記していきます。

 

スポンジ

スポンジ培地です。上下にH型の切り込みが貫通するように入っています。 市販のスポンジでも十分に応用できますが、数が多くなると切ったり、切り込みを入れたりが おっくうになりかねます。また、再利用するにも綺麗に汚れや根を除去し、煮沸消毒などの 手間がかかりますので、基本的には使い捨てがコスト的にも有効となります。

スポンジ

栽培容器に水道水を注入し、30個のスポンジ培地をいれます。 スポンジ培地は水分を含んでいませんので、液肥表面に浮いた状態です。 スポンジ培地の個数は栽培容器の大きさにもよりますが、後で並べた時に ある程度の間隔をあけておきますので、この栽培容器の場合、サイズが 24cm×31cmの大きさですので、30個が適量となります。

 

スポンジ

次にスポンジ培地に十分に水分を含ませます。手で摘んだり指で押しつぶしたりして、泡が完全に出なくなるまでしっかりと 水分を含ませます。この作業が発芽させるためには重要となってきます。完全に 泡が抜けきっていないと、種をまいた時にあとから表面が乾燥してきたりしますので、 水分不足で発芽しないといったこにもつながります。

 

スポンジ

全部のスポンジ培地に水分を含ませたら間隔を開けて並べます。 注意点は、H型の切り込みの入った面を上にするようにします。万が一間違って 切り込みの入っていない面を上にして種をまいたとしても発芽率にはあまり影響は ないですが、苗への成長の過程で、ストレスを与えることになり、弱い苗になったり、成長が遅れたりといった現象が現れます。

 

スポンジ

種をまいた状態です。今回はリーフレタスを使用しています。一つのスポンジ培地に種を3つずつまいていきます。まいていくといっても、実際は置いていくといったところです。種の数は2つでも4つでも良いのですが、おいしい部位をたくさん採りたいので、基本的に栽培では間引きをしません。間引きとはここでは、ある程度成長した苗の一番大きいものや茎のしっかりしたものだけ一つを残すことで、通常はこの苗が大きく成長していくわけですが、大きく育ったものは出荷を目的としている方へは有効なのですが、その分野菜は硬くなり野菜独自がもつ甘さがなくなり、苦みや独特の匂いが伴うことになります。いちばんおいしく食べられ、発芽リスクを考慮した上で、今回は3つがベストという結論となりました。

スポンジ

陽あたりのよい場所において数日後、苗が発芽した状態です。季節や環境によって成長の度合いは違いますが、10日〜20日程度が目安です。ここまで育てばいよいよ本格的な栽培となります。※室内での苗の栽培の際は日光の当たる角度で苗が太陽の方を向いて傾いてしまいますので、2日〜3日おきに容器の向きを変えてあげましょう。

 

LEDライトで発芽

発芽させる際にもっとも困難になるのが冬季です。日照時間も短くなり、気温もぐっと下がります。種本来がもっている発芽のタイミングや環境をどう工夫するかはいろいろですが、ここでは温かい室内でLEDの光を照射しています。LEDライトの照射は近年注目を浴びている栽培法の一つですが、設備や電気代といったコストもかかりますので、必要最小限のところで活用するのもよいです。発芽率は日光が十分な時と同程度の効果があるようです。他にもお金をかけないで発芽させる方法があります。温かいお湯の上に栽培槽を置くといったことも身近にできる方法だと思います。ただ、温度を保つなどの根気も必要になりますが、、。大根やニンジンといった冬野菜もありますが、根菜類は土壌式水耕栽培では不向きですので、冬季の発芽は今後の課題としたいと思います。

page top